ゼミ型

農・商・学が協働して、
竜馬通り商店街で直売市を開催

代表:伊達 浩憲(龍谷大学 経済学部教授)
メンバー:竜馬通り商店街、南山城村役場、商工会、山城地域の農家、学生
主なフィールド:京都市伏見区、南山城村

概 要

山城地域の風景

 本学経済学部の伊達研究室では、京都市伏見区の「竜馬通り商店街」との産学連携プロジェクトを2001年度より進め、商圏調査をはじめ商店主向け出前IT講習会、ゼミ有志による手作り雑貨の委託販売店の経営、夏の夜市、竜馬祭の手伝いなど、さまざまな活動を行ってきました。
 今回は地域経済活性化の研究の一環として、南山城村を中心とした山城地域の農産物の「地産地消」を促進するイベントを実施しました。
 ゼミの2、3年生たちは2007年5月から、南山城村の活性化策を考えるためフィールドワークを続けており、その中で農産物や加工品の販路拡大を目指し、竜馬通り商店街に直売市の開催を依頼。同商店街の女性グループが府の補助を受け主催することになり、学生たちが内容を企画して2007年12月8、9日に「やましろ農産物直売市」が開催されました。
 人口減少・高齢化・財政難に苦しむ農村と、大手スーパーの台頭による生鮮食料品店の不足に悩む商店街。本学が両者を仲介し、商店街の「生鮮食料品の不足」を「農産物直売市」の開催で補完することにより、都市の商店街と農村との相乗的な活性化をもたらす「地域内経済循環」のしくみの構築をめざしています。

活動内容

 今回のイベントは、食に対する安全志向の高まりを背景に「地産地消(商)」、「生産者の顏が見える」、「安心・安全を売る」をコンセプトに企画されました。農家への出店・出品交渉は学生が担当し、9月から村役場や商工会に聞き取り調査をしたり、生産者に直接交渉して出店の約束を取り付けるなど準備を進めました。
 直売市では、南山城村特産の原木シイタケ、煎茶、猪肉、ヤーコン、宇治田原町の古老柿、抹茶、お茶で作った香、鹿背山の富有柿、城陽市の寺田イモ、梅干、久御山町の淀大根など、山城地域の農産物約50品を商店街内の路上にブースを設置し、生産者と学生たちが販売。生産者が直接参加できない場合も生産者の写真や農産物へのこだわりを記載したPOPを制作し、「生産者の顔が見える取引」を心がけました。

学生の集合写真 直売市のヒトコマ1

 商店街の各店と学生、農家とが共同で南山城村や宇治田原町の農産物を使って「地域ブランド商品」も開発しました。宇治田原町の抹茶を用いた「茶の葉あんパン」、南山城村・宇治田原町の抹茶を用いた「抹茶くずぜんざい」、南山城村の原木シイタケを用いた「シイタケ蕎麦」、「シイタケまん(肉まん)」、「原木シイタケ栽培セット」などが開発・販売されました。
 また、学生が「茶摘娘」に扮して産地・宇治茶のPRや茶の味くらべも行われました。地元客にも観光客にも「スーパーには売ってない」「懐かしい味」「安くて新鮮」と大好評で、品切れが続出。どのブースも行列ができるほどの賑わいでした。
 さらに、学生が考案した「宇治茶応援戦隊・茶レンジャー」が子供向けイベントに登場、試食・試飲などもあり、幅広い世代に喜ばれるイベントとなり、おおいに盛り上がりました。天候にも恵まれ、かつてないほどの人出となり予想以上の売上げでした。

直売市のヒトコマ2

今後の展望

山城地域の農家

 7年間交流を続けてきた竜馬通り商店街と山城地域の農家、本学伊達研究室がさらに連携・交流を強め、今後は、この「直売市」を恒例の行事として定着させることをめざしていきます。
 「地産地消(商)」の観点からお互いが知恵を出し合い、地域経済活性化につなげていきたいと考えています。

他団体・グループとの
連携について
連携可能 山城地域の農家との連携を求めています。

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