ゼミ型

聴覚に障がいをもつ方への
聞き取り調査に本学学生が参加

代表:長上 深雪(龍谷大学 社会学部教授)
メンバー:滋賀県聴覚障害者福祉協会、学生
主なフィールド:滋賀県内

概 要

 滋賀県在住の聴覚に障がいをもつ方々に対する聞き取り調査に、本学の学生が参加しました。これは、「滋賀県聴覚障害者福祉協会」と本学社会学部地域福祉学科長上研究室が共同して実施したものです。
 実態調査委員会をつくり、およそ2ヵ月間に約200人を対象に暮らしや地域のこと、社会福祉サービスの利用状況や改善点などについて訪問聞き取りを行いました。
 こうした調査は以前にも実施されていますが、滋賀全域にわたって難聴者、盲ろう者、ろうあ者などを対象に、直接訪問して聞き取りを行うのは今回が初めてです。
 聴覚に障がいをもつ市民の実情や福祉ニーズの把握につながると期待されており、今後の支援制度や福祉サービスの施策に生かされる予定です。

会議風景1
会議風景2
滋賀県における聴覚障害者の生活実態調査票

活動内容

 滋賀県立聴覚障害者センター(草津市)の設立10周年を機に、今後10年の課題や取り組みを考えようと、2006年に「聴覚障害者福祉のビジョン策定委員会」が設置されました。
 ビジョンの策定にあたって、06年は従来の施策や課題をまとめ、07年は聞き取り実態調査を行うことになり、本学の長上教授が調査委員長を務めました。
 調査は7月中旬から10月末にかけて、調査委員会に参加している団体や手話通訳者等と、本学学生が協力して実施されました。
 県内で聴覚障がいをもつ方は約4,000人いますが、県ろうあ協会や県中途失聴・難聴者協会などの当事者団体には1割の約400人しか加盟しておらず、未加盟の人が支援から漏れるケースが少なくありません。
 このため、対象者が住む地域に出向き、コミュニケーションで困っていること、健康状態、経済事情、雇用・就労の不安などに加えて、家族環境や地域環境も調査しました。
 また、暮らしや医療、福祉に関わる相談窓口・施設・制度・サービスの認知度と利用・参加状況を調べ、役立った点と改善してほしい点についても尋ねました。  今回の調査は、対象が聴覚障がいをもつ方ということで、コミュニケーションの取り方が重要でした。手話通訳者や要約筆記者の同行が欠かせないことや、対象となる方との事前の調整など、多くの人が関わる調査となりました。
 約60人の調査集団が2カ月間にわたって集めた約200の調査票は、結果を分析しビジョンの最終報告書にまとめられます。

活動の成果

 調査に参加した学生たちは、聴覚障がい者福祉制度やサービス、聴覚障がいをもつ方々の生活困難、社会福祉調査について自主的に勉強しました。
 調査は本学学生と県内に住む当事者の方々、また手話通訳者が協力してすすめましたが、集団的な力量が問われる調査だったといえるでしょう。
 このような聴覚障がいをもつ方々への訪問聞き取り調査は全国的にも貴重なものと言え、ここに本学の学生が参加したことは、非常に意義深いことです。
 また、今回の調査で聴覚障がいをもつ方々の暮らしの実態を理解することにより、制度・サービスのさらなる向上につながると考えられます。

調査員会議の様子
調査員会議の様子
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osakami@soc.ryukoku.ac.jp

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