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国境を越えた環境保全活動 〜中国への緑化協力と国内の省エネ活動〜

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代表者
北川 秀樹(政策学部教授)専門分野:環境法政策
連絡先
kitagawa@policy.ryukoku.ac.jp
主な連携メンバー
特定非営利活動法人・環境保全ネットワーク京都
活動開始時期
2002年12月(法人設立)
主な活動地域
中華人民共和国陝西省、京都市

活動の概要

中国内陸部の陝西省西安市近郊の5か所において、水土流失、生態環境保全を目的に現在まで植樹活動を行ってきました。植樹の協力だけでなく、現地の人々の心に環境保全という木を植えること、すなわち森林、環境の大切さを伝えていく環境教育がきわめて重要であると考え、現地の住民や学生と交流し、環境を守ることの大切さを訴えています。

また、国内においては研修会を開催し、主として家庭における省エネの啓発を行っています。

1. 中国への緑化協力

2004年から西安市近郊において、緑化協力を開始。現在まで、670haに、約147万本を植樹しました。2007、2008年には本学のボランティア・NPO活動センターの体験学習プログラムとタイアップし、12人の学生が参加する記念ツアーを実施しました。

  1. 西安市長安区五台郷高河河畔の33haに、2004年、国土緑化推進機構・緑の募金交付金の助成を得て水源涵養を目的に、ポプラ、コノテガシワ(側柏)を植えました。現在では、ポプラは14-16メートル程度まで育っています。(カウンターパート:長安区林業局)
  2. 西安市の北・渭南市富平県の黄土丘陵約175haに、水土流失防止と退耕還林を目的に、日中緑化交流基金の支援を得て2005年から4年計画で緑化協力を行いました。コノテガシワは斜面の表土流失防止に、柿は高台の平地に植栽。2008年の日中青少年交流年には、本学学生が現地の青年と一緒にポプラを植えて交流し、日中友好に貢献しました。(カウンターパート:富平県林業局)
  3. 西安市の北・咸陽市三原県の黄土丘陵約150haに、水土流失防止と生態環境保全のため、日中緑化交流基金の支援を得て、2009年から3年計画で緑化協力を行いました。三原県では、サンショ、クルミ、ニセアカシアを植えました。
    (カウンターパート:三原県林業局)
  4. 西安市の北・咸陽市淳化県の黄土丘陵に、水土流失防止と生態環境保全のため、日中緑化交流基金の支援を得て2011年から文冠果を植えています。文冠果はムクロジ科の木で乾燥に強く、根の皮に水を蓄える機能があり、中国では乾燥地の緑化樹として使われています。実や葉には有用な油分を含んでおり、実からは油を抽出し、葉はお茶に加工されています。いずれも高血圧に効果があるとされます。(カウンターパート:淳化宮山林業専業合作社)

2. 省エネ活動

民生家庭部門のエネルギー使用量は、近年大幅に増加しています。家庭での省エネ活動の必要性をわかりやすく伝えるため、研修会やセミナーを開催しています。2011年度には、地球環境基金の支援を得て、「リフォーム関連団体等との連携による家庭の省エネの普及」を実施したほか、2007年からは毎年12月に開催される京都環境フェスティバル(京都府主催)に出展し、省エネセミナーを開催しています。


森林と環境保全の講義


日中青年で共同植樹


ポプラの植樹

期待される効果

植樹活動については、大気中の二酸化炭素の吸収・固定により地球温暖化防止に貢献することとなり、また、土壌の固定により水土流失防止や生態環境保全に役立ちます。併せて、中国の現地住民との交流を通じ国際理解に貢献しています。

また、国内での省エネ活動は、エネルギー使用量の削減により二酸化炭素の削減につながり、地球温暖化防止に役立ちます。

今後の目標・課題

国内の森林整備活動が十分できておらず、今後の課題です。また、京都に本拠を置いていることもあり、京都の環境保全や景観保全にも一層貢献したいと考えています(例えば、町家の保存・拡大など)。

このほか、若年層の会員が少なく、どのように会員拡大を図るかが課題です。

受賞・助成採択実績

  • 京都水宣言・京都水づくり賞選考委員長特別賞受賞(2007年)
  • 代表者(北川教授)が、長年の植樹協力に対して中国陝西省林業庁から栄誉証書を授与(2012年)

他団体・グループとの連携について:連携可
森林保全、省エネ、町家保全などで協力しませんか。