概 要
この数年、情報セキュリティや個人情報保護に関するニュースが格段に増えました。 2005年4月には「個人情報保護法」が施行され、今後も情報セキュリティはより重要になっていくでしょう。
そこで、「セキュリティは地域で守る」という共通点で、地域の学校教員、地域の企業人、地域の知識人が集まり、情報セキュリティを守るための組織、NPO法人 滋賀県情報基盤協議会(http://www.it-shiga.jp/)が2005年秋に設立されました。
多くの人々に「情報セキュリティ」について知ってもらうために、もっときめ細かい啓発活動の必要性を感じており、地域の人々に対し、情報基盤および情報セキュリティに関する啓発、教育、情報提供を行い、高度情報通信社会の健全な発展と安全性の確保に寄与することを目的に活動しています。
具体的な事業は、以下の通りです。
●県民の方を対象とした「情報セキュリティに関するセミナー」の開催
●学校の教職員の方を対象とした情報セキュリティに関するセミナー/アドバイス/支援
●地方公共団体の方を対象とした情報セキュリティに関するセミナー/アドバイス/支援
●企業を対象とした情報セキュリティに関するセミナー/アドバイス/支援
●滋賀県における情報基盤についての議論の場の提供
これまでの活動内容
藤田准教授はNPO法人設立以前から、滋賀県警察ネットワークセキュリティ協助員として、不正アクセス事案の解析、警察職員への研修、滋賀県インターネットセキュリティ協議会での講演などを行ってきました。
また、滋賀県内の高等学校の先生方や情報関係の企業の方々と、情報通信技術の勉強会AACU(Association of Advanced Computer Users)を、1995年の夏より開催し、2005年の夏の勉強会で38回目となりました。
その中の数人は、「コンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウム」の立ち上げに関与し、2005年に第9回を迎えました。これらの活動を通じて、多くの「情報セキュリティ」の関係者とコンタクトを持つようになっていきました。
この実績と多くの人々との連携を生かして、滋賀県に「情報基盤および情報セキュリティ」に関するNPO法人を設立することになりました。
現在の活動状況
2006年2月から、経済産業省・JNSA主催の全国各地で開催されている「インターネット安全教室」を、滋賀県では滋賀県情報基盤協議会が委託を受け、学校・自治体や警察と連携して実施しています。
パソコンや携帯電話を使って、誰でも手軽にインターネットに接続できるようになり、思わぬトラブルや犯罪に巻き込まれる危険性がますます高くなってきている今日、県民の人々に対し、インターネットを安全快適に活用するにはどうしたらよいか、被害にあったときにはどうすればよいかといった、情報セキュリティに関する基礎知識を学習できる場を提供しています。
また、企業に比べ、情報管理に対する責任が重い自治体や学校を対象に、学校職員、自治体職員に対する、情報セキュリティおよび個人情報保護に関する研修を行っています。情報セキュリティポリシーの主旨を把握し、個人情報を扱う立場として情報を守る意識を持ち、具体的なセキュリティ対策を学習できる場を提供しています。
今後の課題・目標
毎回40〜50名で行われる「インターネット安全教室」ですが、参加者を募るのが大変で、開催を広く知ってもらうための告知方法が今後の課題です。
現在は、情報セキュリティの啓蒙と教育に重点をおいた活動になっていますが、将来的には情報セキュリティに関するコンサルテーション事業も構想中で、学校・自治体において必要不可欠な情報セキュリティポリシーの策定支援、情報セキュリティ監査を行うための支援を行っていきたいと考えています。