概 要
2001年から、滋賀県立びわこ文化公園の西側ゾーンを活動場所として、幼児から高齢者までの市民が親しめる里山空間を整備し、憩いの場を作る活動を続け、2007年NPO法人「森の風音」を設立しました。
この場所は、天然林を伐採した後に生じた二次林や植林地で、人が手を入れ続けないと里山として維持できず、長年放置され市民が入れない雑木林となっていました。
この森を整備する活動は、憩いの場所にするという意義にとどまりません。琵琶湖につながるこの森自体が、人間を含む生き物たちの命を支えてくれる生命の源です。この数十年の間、森を見捨てて、森の大切さを忘れてしまった私たち現代人が、びわこ文化公園を訪れて森の価値を見いだし、森に生かされているのが人間存在だと気づいて欲しいと願い、活動を続けています。
これまでの活動内容
金子教授を中心に学生や有志ら数名が、環境ボランティアとして活動をスタートしました。コツコツと間伐し、下草を刈り、ネコも通れないぐらいのやぶを、木漏れ日が差す森に変えていきました。
間伐材をチップにして敷き詰めた散策路をめぐらせ、メダカが泳ぎスイレンが咲く人工池も作りました。リョウブ、ソヨゴ、ヤマザクラ、ヤブツバキ、コバノミツバツツジなど…木々には名札が付けられ、散策する人に森の豊かな植生を教えてくれます。こうした地道な活動を継続していくうちに、共感する仲間が徐々に増えていきました。
現在の活動状況
2007年5月、龍谷大学進入道路沿いで、ヤマザクラの植樹準備をする参加者 |
2007年5月、木の家作りをする臨床福祉学科3回生金子ゼミの学生たち |
2007年秋、NPO法人「森の風音」として、滋賀県から認証され、現在は会員数約50名です。
会員は、大津市と草津市の市民がほとんどで、毎月第3日曜日に公園に集まり、森の手入れを行っています。作業日には昼食を持ち寄り、10代から70代前半までのさまざまな年齢の参加者が親睦を深め、緑の中での活動を楽しんでいます。
森を整備し、散策路を伸ばした結果、散歩や観察をする人の姿が見られるようになり、訪れる市民の数も増えてきました。また、ゼミの学生が森内の一角に間伐材を利用した木の家を作ったり、大津市子育て総合支援センター「ゆめっこ」の行事に協力して、七夕に使う竹を切り出し、33組の親子と共に七夕飾りを作るなど、若者や子育て中の家族も訪れる新たなコミュニティの場となりつつあります。
今後の活動予定
これまでは伐採や植樹が中心でしたが、今後は、公園サロン(あずまや)、自然豊かな遊び場(仮称:森の子ども園)、ふれあい広場、(家族で遊ぶ場、休憩、レクリエーション)、ナチュラル・ガーデン作りを計画しており、活動範囲も広げていく予定です。そこで、この活動を展開していくために、さまざまな団体・組織、および企業の支援や、活動への参加を幅広く呼びかけています。
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