龍谷大学は1962(昭和37)年に短期大学部に社会福祉科を、つづく1968(昭和43)年には文学部に社会福祉学専攻を開設して以来、今日まで社会福祉現場を担う専門職養成に取り組んでまいりました。現在では瀬田(滋賀)キャンパスにおける社会学部、深草(京都)キャンパスにおける短期大学部で専門職の養成をしています。
本学福祉フォーラムは、社会学部における地域福祉学科および臨床福祉学科開設にともない、これまでの専門職養成に加えて、様々な分野や広範な人々との連携・協力を創りだし、社会福祉のさらなる発展をめざして設立しました。当初から、産業界をはじめ、自治体、医療・保健・社会福祉の専門職から一般市民まで、誰もが気軽に参加でき、協働しながら社会福祉分野における研究・教育活動を幅広く展開することを目標としてきました。そして、多彩な事業成果の発信を通じて、地域社会の生活向上に貢献し、日本における福祉の一大拠点として発展することをめざしてきたのです。しかし、この10年間に地域・社会は大きく変動しました。とりわけ、社会福祉分野では社会福祉基礎構造改革が推進され、社会福祉の考え方も展開の仕方も大きく変化し、それはそのまま国民生活にいろいろな影響を与えてきています。こうした今日の地域や社会福祉を取り巻く現状からすると、これまで以上に広汎な人々、異業種異分野がともに力をあわせネットワークの裾野をひろげ、いのちやくらしにしっかりねざした取り組みをすることがより強く求められています。
これからの龍谷大学福祉フォーラムは、「共生」と「協働」をキーワードに活動していきます。このフ ォーラムは、社会のすべての構成員がみな等しく、生き生きと人間らしい暮らしができる地域づくりのため に、「福祉」という切り口から、地域住民、当事者、くらしやいのちにかかわる専門職、学生、NPO などの市民セクター、行政セクター、企業セクターなど多様な立場の人々がつどい「協働」していく場 です。そして、地域福祉やまちづくりに関心をもつ人々とともに、「共生」をキーワードに21世紀の 新しいまちづくりを考えていきます。
具体的には、次のような四つの「場」を提供します。それぞれの「場」をどうつくっていくのか、どのような内容にするかは、フォーラムに参加されるみなさんとともに考え、話し合って方向を出していきます。
協議の場 ・・・知恵をだしあい「まちづくり」や必要な活動の方向を定める
交流の場 ・・・ネットワークの形成
創造の場 ・・・新しい取り組みを創り出す
支援の場 ・・・専門職やNPO、市民活動をささえる
この四つの「場」はそれぞれが互いに作用しあい、関わり合いながら「場」としての広がりと深まり をもっていきます。