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環境フィールドワーク
〜京都府天王山周辺の森林・竹林を地域と協働で整備〜

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代表者
北川秀樹(政策学部教授) 専門分野:環境法政策 谷垣岳人(政策学部講師) 専門分野:生態学
連絡先
kitagawa@policy.ryukoku.ac.jp(北川)
tanigaki@policy.ryukoku.ac.jp(谷垣)
主な連携メンバー
京都モデルフォレスト協会、大山崎町、天王山周辺地域森林整備推進協議会
活動開始時期
2011年12月
主な活動地域
京都府乙訓郡大山崎町

活動の概要

環境サイエンスコース(経済・経営・法・政策学部の共通コース)は、自然科学の基礎の上に、人文科学、社会科学の知識を得て環境問題の原因と解決策を考えることを目的としています。また、本コースでは、現場での実習や観察により環境問題を学ぶ「環境フィールドワーク」という授業科目を設けています。

フィールドワークを行う大山崎町の天王山周辺では近年、地球温暖化の進行や手入れ不足により森林が荒廃し、竹林が拡大しており、その整備が大きな課題となっています。

本活動は、環境フィールドワークの一環として、竹林拡大の背景にある歴史、生活や気候の変化、環境への影響などを学生に自ら体験し学ばせるとともに、市民ボランティアのほか、企業と協働して活動することで、環境CSRの取り組みについて理解を深めてもらい、あわせて同地域の生態保全に資することをめざします。

活動内容


竹林ボランティアの方々との意見交換会

大山崎町および公益社団法人京都モデルフォレスト協会と2012年3月23日、「森林の保全および利用に関する協力協定」を締結しました。協定では、森林が有する水源かん養や土砂流出防止、景観の形成をはじめとする公益的機能が高度に発揮されるように、森林整備や森林体験活動、環境学習活動、ボランティア活動等について、協力することを目的としています。また、京都モデルフォレスト協会に入会するとともに、天王山周辺地域森林整備推進協議会に加入しました。

2011年12月、2012年5月、2013年2月の3回、事前学習を行った環境サイエンスコースに所属する学生と、竹林ボランティア、大山崎町との協働による放置竹林の整備を実施し、作業終了後に竹林ボランティアの方々と意見交換会を行いました。参加学生からは「竹伐りは意外に簡単で面白かった」「実習を通して竹林拡大の現状が分かった」との声があがりました。2013年の11月にはKDDI(株)と共同で天王山のまき割りとシイタケの菌打ちを行いました。

期待される効果


放置竹林での伐採実習

森林・竹林整備を実体験できる教育の場として活用できることは学生の理解力向上にもつながります。近年、自然の中で動植物に触れた経験が乏しい学生も多いため、自分の身をもって自然を実感した上で竹林拡大のような社会問題を考えることは意義深いといえます。

また、本学では「里山学研究センター」を設置し、地域資源(バイオマス)の利用、生物多様性の保全、環境教育、所有と管理の問題など、里山にかかわる今日的な課題について、滋賀県大津市瀬田丘陵にある「龍谷の森」を利用し、総合的な研究を推進しています。この研究成果の一端を天王山の竹林・森林整備にもいかしていきます。

今後の目標・課題

実習作業にはのこぎり、チェーンソーを使用します。また、倒れてくる木や竹などでけがをしないよう注意を要します。このため、十分な事前準備と学生への指導の徹底が必要です。また、急峻な現場での作業となるため、雨天においては足場が悪く中止せざるを得ないこともあります。

授業のみでなく、環境サイエンスコース以外の教職員や学生の自主的な参加を期待しています。

他団体・グループとの連携について:連携可