TOP > フクシマいわき物産復興プロジェクト 〜地元物産の流通を通じた被災地との交流〜

フクシマいわき物産復興プロジェクト
〜地元物産の流通を通じた被災地との交流〜

PDFで表示する

代表者
築地 達郎(社会学部准教授)専門分野:情報社会学、広報論
連絡先
tsukiji@soc.ryukoku.ac.jp
主な連携メンバー
東日本国際大学(福島県いわき市)、株式会社いわき福島復興オフィス、いわき商工会議所、フォレオ大津一里山
活動開始時期
2011年6月
主な活動地域
福島県いわき市、滋賀県大津市

活動の概要


「3.11」直後、いわき市のトマト生産会社を訪問した東日大(いわき市)と龍谷大の学生(2011年8月)

福島県は東日本大震災に伴う原発事故によって深刻な影響を受け続けています。未だ15万人以上の人々が避難生活を余儀なくされています。しかし、同県を一歩離れると記憶は薄れる一方です。特に関西ではその傾向が強いといえます。

本プロジェクトは、被災地の物産を流通させることを通じて、「フクシマを忘れない、忘れさせない」というメッセージを発信しようという取り組みです。毎年秋の大津での物産展を核に、さまざまな活動を展開しています。

活動内容


第1回物産展で提供するためにいわきの名物を試食する学生(2011年8月)


第2回いわき合宿で意見交換する東日大と龍谷大の学生(2012年8月)

「3.11」の直後、本学の働きかけに福島県いわき市、いわき商工会議所、東日本国際大学(東日大)などが応じてスタートしました。原発事故で大きな被害を受けている福島県浜通り地方の中核都市、いわき市の物産の流通を支援することが活動の軸となります。

プロジェクトに参画する本学社会学部の学生は、被災地の現状、原子力や再生可能エネルギーの仕組みなどについて事前学習を行った上で、夏休みのいわき合宿に臨みます。合宿では避難者や地元物産(食品、食材、農産物など)の生産者、地域住民、そして地元学生などさまざまな立場の方々と触れ合い、心の奥底で地元の方々や生産者の方々の思いを受けとめます。

こうした交流を通じて受けとめたメッセージを載せて、物産を流通させるこ とが最大のポイントです(単に販売のお手伝いをするのではありません)。

2011年秋に本学から最寄りのショッピングモール「フォレオ大津一里山」の全面協力を受けて第1回物産展を開催して以来、毎年秋の物産展を続けています。このほかにも、学生主体の「千羽鶴運動」などさまざまな告知活動を行っています。

これまでの成果


第2回いわき合宿の際に津波被害を受けた海岸地域を訪問。僧侶の学生の読経の下、合掌(2012年8月)

「3.11」直後に学生有志を募ってスタートしたプロジェクトでしたが、2012年度からは社会学部コミュニティマネジメント学科が提供する「コミュニティマネジメント実習」として正課化しました。

また、いわき市側でも2012年、地元物産事業者の連携による商事会社「株式会社いわき福島復興オフィス」が発足。持続的な活動の基盤が整ったといえます。

2011年、2012年、2013年の大津での物産展にはマスメディアが強い関心を寄せ、関西一円へ強いメッセージを発信することができました。


「いわき福島復興物産展in大津2012」で物産販売に取り組む龍大生(2012年11月)

今後の目標・課題

福島原発の廃炉作業は今後40年にわたるとされ、放射能の脅威は長く続きます。マスメディアの関心が徐々に薄れていくのはやむを得ないと思われますので、「忘れない、忘れさせない」ための一層多面的、かつ地道な活動が求められます。

各種地域団体やNPOなどとの連携を深めることが課題といえます。

他団体・グループとの連携について:連携可

「フクシマを忘れない、忘れさせない」──。活動の目的はシンプルです。趣旨に賛同する皆さんとの幅広い連携を期待しています。