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滋賀県の中小企業活性化施策にかかる調査研究会 〜産官学連携による中小企業の実態分析〜

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代表者
辻田 素子(経済学部准教授) 専門分野:中小企業、地域産業
連絡先
tsujita@econ.ryukoku.ac.jp
主な連携メンバー
滋賀県庁、滋賀県内の中小企業
活動開始時期
2011年6月
主な活動地域
滋賀県

活動の概要

就業機会の提供、新産業の創出といった役割を担う中小企業は、地域の経済社会を支える極めて重要な担い手です。各地の行政組織は、限られた予算や人員の中で、どのような中小企業をいかに支援して地域経済の維持・発展につなげるか、その手腕が問われています。

本研究会は、こうした問題意識にもとづき、中小企業振興のための条例制定をめざす滋賀県からの働きかけで2011年の夏に立ち上がりました。滋賀県に立地する中小企業の実態を分析し、県内中小企業に対する県の施策立案に寄与することを目的としています。

活動内容

研究会の開催、アンケート調査、ヒアリング調査を中心に活動しています。

<2011年度>

1. アンケート調査

滋賀県の中小企業の実態を把握するため、県内の民営中小事業所から計6000事業所(製造業3000、非製造業3000)を無作為抽出し、2011年10月26日から11月8日にかけて、アンケートを実施しました。質問票は郵送で配布・回収し、回収率は22.8%でした。

質問票は、滋賀県商工観光労働部の調査研究メンバーと経済学部教員による共同作業で作成しました。主な質問項目は、右のとおりです。

  1. 会社概要
  2. 事業活動
  3. 最近の業績
  4. 取引関係
  5. 研究開発
  6. 産学官連携
  7. 企業間連携等
  8. 商工関係団体等での活動
  9. 競争力向上に向けた取り組み
  10. 海外への事業展開の状況
  11. 立地
  12. 後継者問題
  13. 人材の確保・育成
  14. 資金調達
  15. 東日本大震災の業績への影響と対応策
  16. BCP(事業継続計画)
  17. 最近の円高による業績への影響と対応策
  18. 今後の経営
  19. 公的支援制度の利用

2. ヒアリング調査

2011年8月24日から9月4日にかけて、機械金属系の中小製造企業16社を訪問し、経営者にヒアリングを行いました。滋賀県には、元気な機械金属系中小企業が多数立地しており、それがものづくり県を自負する同県の大きな強みとなっています。

<2012年度>

1. ヒアリング調査

2012年7月30日から2013月2月2日にかけ、滋賀県の地場 産業を調査しました。甲賀・日野の製薬、信楽の陶器、湖東の 麻織物に着目し、中小企業13社と4組合を訪問しました。

なお、こうした調査の準備や収集したデータの整理・分析の ため、2か月に1回程度の頻度で研究会を開催しています。


滋賀県製薬工業協同組合でのヒアリング調査
(「くすり学習館」〈滋賀県甲賀市〉)


滋賀県職員らとの研究会
(深草学舎)

これまでの成果

2012年3月には、滋賀県の中小企業を対象としたアンケート調査結果を『滋賀県中小企業等実態調査報告書』にまとめました。

また、同年6月には、滋賀県庁で、調査結果報告会を開催し、滋賀県の製造業は、研究開発志向が強く、産学官連携にも積極的であるが、特定顧客への依存度が高く、海外展開に対する意識が低いといった課題があることを指摘しました。

さらに、2013年3月には、滋賀県の製造業を総合的に分析した『滋賀県の中小企業に関する滋賀県と龍谷大学との共同研究報告書』を発行しました。

こうした調査研究活動は、京都新聞のほか、日刊工業新聞(2012年6月6日、6月14日)、中日新聞(2012年6月7日)などで取り上げられました。

調査研究の成果は、滋賀県の「中小企業の活性化の推進に関する条例」(2012年12月制定)や中小企業施策の立案などで、基礎資料の1つとして活用されています。


滋賀県中小企業等実態調査報告書


調査の結果を伝える京都新聞(2012年6月21日付朝刊)

今後の目標・課題

当初2年間は、滋賀県が高い競争力を誇る製造業を中心に調査研究してきましたが、2013年度からは、非製造業の中小企業に焦点を当てています。農商工連携などの新たな動きについても調査を重ね、滋賀県中小企業の可能性を探っていきます。

また、中小企業振興における県の役割、市町村の役割、両者の関係性などについても、研究していく予定です。

他団体・グループとの連携について:中小企業に関する調査での連携は可