砂川学区多世代交流、高齢者インタビュー会
〜地域課題に向けて協働する体験型教育〜
- 代表者
- 加藤 博史(短期大学部教授) 専門分野:社会福祉
- 連絡先
- hkato@human.ryukoku.ac.jp
- 主な連携メンバー
- 砂川学区自治連合会、砂川小学校
- 活動開始時期
- 2003年5月
- 主な活動地域
- 京都市伏見区砂川学区
活動の概要
本取り組みは、深草学舎のある地元の砂川小学校児童、住民組織や砂川地域の高齢者等と交流し「地域課題に向けて協働する体験型教育」です。今日、地域における助け合いの機能が低下し、家庭生活のなかで地域と交流する力が弱くなってきています。特に、学生を含めた若者が地域に関心を示さなくなっています。それは学生たちが地域の人との協働を体験する機会が奪われているからであり、ここに福祉教育の重要な課題があると考えました。
この取り組みで学生は、「私も地域の一員」との自覚を高めていき、すべての人を認め合い、誰も排除せず包み込む地域の必要性を学びました。自宅や下宿に帰っても、町内や隣近所に目を向け、小さなことでも地域のために何か始められる力を育んでいます。
活動内容
「友愛セール」に参加する学生
「独居高齢者戸別訪問インタビュー」の様子
- 2003年度から、毎年5月に、砂川小学校での地域女性会主催の「友愛セール」に学生が参加し、お茶席やカレーライス、うどんの販売を地域の人たちと行うことで、地域活動を肌で学ぶことに加えて、懇親を深めさせてもらっています。また、ゼミ横断的に学生を募り、多くの学生が参加しています。
- 2003年度から、毎年11月に2つのゼミ学生が企画運営し、地域の老人福祉員や自治連合会役員の仲介で、「独居高齢者戸別訪問インタビュー」を開催しています。「学生の年頃に抱いていた夢、地域や社会の様子」、「学生への注文、忠告、助言」、「生活のニーズ」などを伺いました。さらに、2009年度は、敬老の集いで参加を呼びかけました。2013年度は、西浦住宅(深草学舎体育館の隣)の高齢者と同集会所とも交流させてもらいました。
- 2005年度から、毎年9月に龍谷大学深草学舎にて、2つのゼミが企画運営し、砂川小学校3年生全員と地域住民と交流する「多世代交流会、地域を良くするトーク会」を開催しています。2009年度からは、69カ町580組に回覧板で参加を呼びかけました。
- 2007年度から、毎年12月に、龍谷大学深草学舎にて、地域女性会が行う「ダンス交流会」を開催しています。知的障がいのある人たちとの交流学習である「ふれあい大学」の卒業生も参加して、地域の人たちと学生、障がい者の交流を深めています。
以上の成果を記録化し、地域住民にも公開して、全学生との共有化を図ってきました。地域の高齢者宅を訪問する取り組みにかかわった地域住民からは、「インタビュー活動により、学生と独居高齢者や障がい者の交流の場が生まれるという大きな成果が得られた。インタビューをまとめた冊子には『大いに励まされた』、『癒された』」との声があり、「冊子は高齢者や障がい者の実情把握に役立つ内容です。今後の地域における福祉活動の在り方に参考になりました」との評価を得ています。
砂川学区「多世代交流会」で小学生や地域住民と短大生との交流の様子
今後の課題・目標
2003年以来、年間総括報告において、取り組みを検証しその改善に努めてきました。また、以上の活動を統括する機関として、2006年度から、社会活動関連の業務を担う社会活動センターを設置しました。今後は、社会活動センターの充実によってこのシステムをさらに機能させていきます。
2011年度、自治連合会に社会福祉協議会、地域包括支援センターと本学3つのゼミが協働して、砂川学区の75歳以上の高齢者1,000名の調査を行いました。この成果を踏まえ、2013年度から新たに3つのゼミで、高齢者の孤立を防ぎ、社会参加を促進するため、同様の調査と取り組みを始めています。
地域課題に積極的に協働していくことで、学生の教育に資するべく努めていきます。
他団体・グループとの連携について:連携可