TOP > 東西両本願寺門前町地域活性化プロジェクト 〜京都駅周辺地域の活性化と京都市のまちづくり〜

東西両本願寺門前町地域活性化プロジェクト
〜京都駅周辺地域の活性化と京都市のまちづくり〜

PDFで表示する

代表者
李复屏(龍谷大学 社会科学研究所京都地域創造研究センター、社会学部准教授、開発経済論)
連絡先
iguchi@econ.ryukoku.ac.jp(担当者:井口)
主な連携メンバー
「植柳まちづくりプロジェクトチーム」(地元住民・事業者の集まり、当サークルもメンバー)、京都市、京都府
活動開始時期
2001年4月
主な活動地域
京都市下京区(京都駅北側一帯=東西両本願寺門前町)

活動の概要

近年、地域人口が減り、東西両本願寺の来訪者も少なくなっている門前町に、昔のようなにぎわいを取り戻そうという試みを、2001年から地元住民・事業者および経済学部の学生有志とともに実践しています。具体的には、京都駅との連携を強め、門前町の需要創造の活動と、地域住民に門前町に関心を持ってもらうための活動です。さらに2011年度からは、これまでの活動を基礎にして、東日本大震災の被災地・被災者への支援にかかわる活動も行っています。

活動内容

1. 東西両本願寺門前町の魅力を広くPRし、来訪者を増やす活動


京都動物マップ


京都動物マップを作成した学生


下京の魅力マップを制作

京都駅北側一帯の大部分は,東西両本願寺の門前町に対応しているとともに、日本有数の仏壇仏具の産地でもあります。そのため、この地域は、「お寺のまち、仏具のまち」と受け取られています。本事業では、東西両本願寺門前町を「三十六歌仙」のまちと位置づけ、新たなイメージでもって東西両本願寺門前町の隠れた魅力をPRするために、3種類のガイド・マップを作製しました。

  • 「三十六歌仙」と伝統産業の「匠の技」をアピールする門前町ガイド・マップ
  • 普段の人間生活と自然や動物とのつながりで京都市内を案内する「京都動物マップ」
  • 西本願寺来訪者に限定した門前町ガイド・マップ:マップを使ったスタンプラリー

「植柳まちづくりプロジェクトチーム」とともに、西本願寺門前町が、日本でも有数の仏壇・仏具の産地であることをアピールするために、仏具のリンをヒントにしたマスコット・キャラクター「おりんちゃん」の活動を展開しています。2012年度からは、「彦根ゆるきゃら祭り」にも参加しています。


彦根ゆるキャラ祭りに参加する「おりんちゃん」


本願寺門前町散策マップ

2. 地域住民に向けて門前町に関心を持ってもらう活動


すす払い用の大型うちわを制作

地域住民に向けて門前町に関心を持ってもらうために、1地元の下京渉成小学校の児童と門前町の散策、2不良品で販売が不可能なリン(仏具)でオリジナル風鈴づくり、3児童、地域住民が描いた門前町の絵画を絵柄にし、伝統工芸品を応用した作品の制作、4大型うちわを作成し、西本願寺の「すす払い」への参加を中心に活動しています。

3. 子どもの意見を取り入れたまちづくり活動の実施

子どもの意見を反映させたまちづくり活動の実現がまちの将来の発展に必要不可欠であるとの認識から、下京区の小学生が感じるまちの魅力調査と児童を対象にしたアンケート調査を実施しています。調査項目は現在のまちの課題や将来への要望などです。今後は、京都市の基本計画などの公式文書を子どもにも理解可能な表現でまとめ直す活動も実施する予定です。

4. 震災の記念モニュメントをを被災地に寄贈 〜記憶を形に残す:東日本大震災への一助として


記念モニュメントを寄贈

西本願寺門前町の事業者の協力を得て、記念モニュメントを被災地へ寄贈しました。大震災の際に津波で流れ着いた仏具を集め、西本願寺門前町にある(株)丸三仏壇の協力を得て、記念モニュメントを制作し、浄土真宗本願寺派専能寺(仙台市宮城野区)に寄贈しました。寄贈で専能寺を訪れた際には、炊き出しを行うとともに、慰霊祭を開催しました。

5. 講演会の開催 〜震災からの復興は「現在の課題」:東日本大震災への一助として

東日本大震災は過去に起こった出来事ですが、震災からの復興は「現在の課題」であることを多くの人に知ってもらう活動を実施しています。その一つに、専能寺の住職である足利一之師に本学にお越しいただき講演会(演題:「東日本大震災復興と都市計画:心のケアと宗教の役割」)を開催し、震災が起こった瞬間の様子や、その後の動きを写真を使いながら話してもらいました。特に、全国からの多くの温かい支援があったことと、復興に向けた都市計画策定に関連した問題点の指摘がありました。

今後の目標・課題


三十六歌仙の継ぎ紙を体験する学生

これからも門前町の活性化に向けて、地域と連携しながら積極的に活動を継続し、伝統産業の発展に寄与するとともに、「三十六歌仙のまち」としての門前町のまちづくり活動が地元住民に受け入れられ、京都市のさらなる発展につながる計画を実行します。

さらに、門前町のかかわる活動を基礎にしながら、東日本大震災の被災地・被災者の支援に つながる活動も継続して実施する予定です。

受賞・助成採択実績


学まちコラボ事業・認定式(京都市役所)

西本願寺門前町の活動が、中央共同募金会の「東日本大震災復興支援事業」,京都市の「大学地域連携モデル創造支援事業(学まちコラボ事業)」と京都府の「京都府地域力再生プロジェクト支援事業交付金事業」に採択されました。

他団体・グループとの連携について:連携可