伏見砂川・公園を中心とした地域との交流事業
- 代表者
- 窪田 和美(短期大学部教授) 専門分野:社会学・地域社会学
- 連絡先
- kazumi@human.ryukoku.ac.jp
- 主な連携メンバー
- 短期大学部(窪田ゼミ、田岡ゼミ)、砂川自治連合会、砂川安心安全ネットワーク、砂川地域女性会
- 活動開始時期
- 2003年度
- 主な活動地域
- 京都市伏見区(砂川小学校区)
子どもから高齢者、障がい者など誰もが利用できる憩いの場所である「公園」に焦点をあて、2008年度に児童福祉を学ぶ学生と砂川地域にある6つの街区公園を調査して、「砂川地域の公園 MAP」を作成しました。そのMAPをよりきめ細かいものにしようと、写真も撮り直して今回新たな公園地図を作成しました。
砂川学区には(1)深草砂川東、(2)深草西浦中、(3)深草砂川西、(4)桜島、(5)鈴塚(保育所前)、(6)稲荷児童と6つの公園があります。これら公園は、同じ空間でありながら、季節により時刻により様々な姿を見せてくれます。そこで、学生による「公園探検チーム」を結成し、それぞれの公園を知るために調査を開始しました。
車イスやベビーカーは公園入口をスムーズに通ることができるのかという実地調査や季節の草花や昆虫など自然の様子も調べました。公園利用者へのインタビューを数回実施したほか、この地域の歴史をはじめ、公園で開催される地域の行事やお祭りについて理解を深めるため、地域の役員を招いての勉強会を開催しました。
最後に学生は、調査の結果や学んだこと、公園の特徴を撮影した写真を用いての発表会で成果発表を行いました。これら情報を地図としてまとめて完成させたのが「砂川地域の公園MAP」です。
MAPの完成はもちろんですが、公園の情報を集めている中で、砂川学区一区画に大きな公園(約250平方メートル)が3つあることが分かりました。これは他の地域には見られない特徴です。これらの公園では、京都の夏の伝統行事「地蔵盆」が開催されるほか、藤森神社の「子どもみこし」の集合場所であったり、地域のイベント「にしうら夏祭り」があったりします。この地域は、自分たちの生活空間であるコミュニティを主体的に支えようとする地域住民によって構成されているのです。脈々と続く地域の伝統文化(地蔵盆)に学生が参加できたことは、地域理解の促進につながったと思います。
学生は地域活動にかかわることにより、生活経験を豊かにすることができ、また様々な年齢層の地域の方と交流することで、相手の立場に立って考えることやコミュニケーション能力を高めることができます。今後は、砂川学区では、なぜ地域活動が主体的かつ熱心に受け継がれてきたのか、この地域特有の要因があるのか、そして、この地域の歴史的な背景についても、聞き取り調査を進めていきたいと考えています。学生の活動がきっかけとなって、地域社会の活性化に貢献できれば、学生にとっても生活実感を伴った大きな収穫になると期待しています。
「伏見砂川・公園探検チーム」の活動が、大学や学生が持つ力を生かした地域の活性化につながる活動として、京都市から「大学のまち京都・学生のまち京都推進特別表彰」(平成23年度)を贈呈されました。
他団体・グループとの連携について:連携可